グラボをDIYで簡易水冷化してみた

実家で使用しているミニPCですが、RAIJINTEKのMETISというケースを使用しています。
CPUにIntelのCore i5-3570Kを、グラフィックボードには玄人志向のGTX970 SHORTを使用しているゲーミングマシンです。
METISはブルーのメタリックがキレイで、なおかつMini-ITXサイズのコンパクトな筐体が非常に愛らしいケースなのですが、エアフローに重大な問題を抱えているという欠点があります。

METISのエアフローについて

これは以前までの構成で、天板と両サイドパネルを取り外した状態になります。
ファンはリアに120mmを1個取り付けることが出来るのみで、残りは左サイドパネル(マザーボード裏側)と電源ユニットしか通気部がないのです。
類を見ない窒息ケースなのですが、以前まではCPUを簡易水冷化しリアに120mmラジエーターを取り付けることで冷やしていました。
しかし、倒立配置により天板側に配置されるグラフィックボードが呼吸困難になり、非常に熱を持つという問題が有りました。

実際の状況について

温度を実際に測定してみると、グラフィックボードの温度はアイドル時で45度。
負荷がかかるゲーム中などでは、グラフィックボードは80度近くまで温度上昇していることがわかります。
CPUに関してはアイドル時45度前後、高負荷時は55度前後となっています。
背面のラジエーターを通過した温い空気がグラフィックボードへと入り、電源ユニットの小さなファンと、背面の通気穴から無理やり押し出されるという配置がこの爆熱を生み出していました。

そこで、CPU以上の発熱があり、なおかつCPU部分よりも吸排気に難があるグラフィックボードこそ水冷化するべきであると判断し、DIYによる水冷化を行うこととしました。

DIY水冷化してみる

 まず、グラフィックボード背面のネジ4本を外します。
基本的に、グラフィックボードのクーラーはこの4本のみで固定されています。

 左右に抉りながらゆっくりと持ち上げるとクーラーを外すことが出来ます。
この時、グリスがくっついて外れない場合は無理に引っ張らず、ドライヤーやヒートガンなどで熱しながら外すと良いと思います。
直前までベンチマークなどを回してGPUを温めておくのも良いです。(自分はこちらです)

 GPUコアにこびり付いているグリスを拭き取ります。
綿棒やコットンなどの柔らかいものに、無水エタノールなどを用いて優しく取り除いていきます。

 次に用意するのはダイソーで手に入る細身の結束バンドです。
何に用いるかというと、これが簡易水冷の水枕を固定する用具です。

 使用するのは8本だけなので、170本入りの袋を買うと162本余ってしまいますが、ケース内のケーブル配線などにも使えるので問題はないでしょう。
8本の内4本は頭の部分だけ切り取っておきます。

 切り取っていない4本は、簡易水冷の水枕に通します。
私はCooler MasterのSeidon 120XL(120M)を用いているため、CPUブラケット取付用のスクリューホールがそのまま使用できますが、このようなちょうどいい穴がない場合は簡易水冷をぐるりと一周巻くように結束バンドを取り付け、その結束バンドに更に結束バンドを取り付けます。

 GPUコアにグリスを塗ります。
今回はシリコングリスのド定番、ArcticCoolingのMX-4を用いました。
大抵の場合、CPU用の水枕はGPUコアより大きなサイズになるため、導電性のあるグリスは絶対に使用しないほうが良いでしょう。
熱伝導率を重視するのであってもThermalGrizzlyのHydronautやKryonautに留めておき、液体金属は避けるべきかと思います。

その後、水枕に取り付けた結束バンドの足を、元々GPUクーラーが取り付けてあったネジ穴(赤丸)へ通します。
GPUコアと水枕がしっかりと密着していることを確認しながら押し付けます。

 背面側から、先ほど切り取った結束バンドの頭を差していきます。
この頭がロック兼テンショナーとなるため、プライヤー等で足を引っ張りながら基板がたわまない限界まで押し込みます。

水枕の取り付けが終わったら、最後にVRAMやVRMといったコア以外のパーツにヒートシンクを取り付けていきます。
今回はAINEXのHM-19Aを使用していますが、VRM部分には元からヒートシンクが取り付けられていたため、VRAMチップ3箇所のみに取り付けました。

CPUクーラーを取り替える

 CPUに使用していた簡易水冷クーラーはGPU用に転用してしまったため、CPU用には新たに空冷クーラーを購入しました。
コンパクトなMETISの中にも収まるサイズで、なおかつ冷却能力が高いものという条件の中では、サイズの白虎以外に選択肢はありません。
参考:サイズ「白虎」検証 - エルミタージュ秋葉原

 白虎は全高13cmというコンパクトなサイズに、92mmファンが取り付けられており、発熱の高いCore i7-6700Kのオーバークロックにも耐えうる高い冷却性能が売りのCPUクーラーです。
唯一の欠点は取り付け方式がプッシュピン方式であるところであり、作業空間の広いATXケースなどでは良いかもしれませんが、METISのような狭小ケースではプッシュピンをどのようにして押せば良いのかと悩んでしまいます。

実際にケース内に入れてみる

 実際にCPUクーラーを押し込んでみました。
ラジエーター用のファンは、厚さの問題からどう考えてもケース内に入れることが出来ないと判断したため、ケース外に設置をしました。

 ラジエーターとのマージンは3cm弱あるため、25mm厚ファンを入れることは出来るのですが、白虎を入れる前にネジ止めをすると白虎のプッシュピンが押せなくなり、白虎を取り付けてからだとファンのネジが回せないので、取付不可と判断しました。
また、白虎はメモリー干渉を避けるためにオフセットデザインが採用されています。
今回これを逆手に取り、ラジエーターから伸びるホースを避けるためにメモリ側へオフセットするように取り付けました。
さらにファンに関しても本来とは反対側に設置をすることにより、ラジエーター側に無理やり空間を作りました。

 背面のファンは、吸気方向に取り付けてあり、外部の新鮮な空気を内部に取り込む役目をしています。
虎徹のファンは後方から前方へ向けて、ヒートシンクから空気を吸い出すような向きに取り付けをしました。
電源ユニットのファンは排気方向にセットしてあるため、ケース内で後方から前方へ向けてのエアフローを作成しました。

また、LED付きのCorsair SP120ファンをケース外に出してしまったため、ケース内の照明用として自動車用に販売されている格安のLEDテープを入れてみました。
12V車用の製品は、ペリフェラル端子やファンコネクタから簡単に12Vを取り出せるため流用しやすくて良いですね。

DIY水冷してみた結果

さて、改造の結果温度はどのように変化したかというと、劇的に変化しました。
まず、目下の問題であったGPU温度はアイドル時は30度前後、高負荷時でも58度前後と純正クーラー時より20度以上の温度低下を達成することが出来ました。
では水冷をやめたCPUはどうなったかというと、アイドル時で50度前後、高負荷時でも60度を下回る温度になっています。
どういうわけか、水冷時と大差ない温度を維持することが出来ています。

今回はエアフローに問題のあるケースにおけるGPUの冷却を改善するためにDIY水冷を行いましたが、エアフローに問題のないケースの場合、私と同様の冷却効果が出るとは限りません。
特に、GTX970より発熱が多いグラフィックボードに関しては120mmラジエーターではどう考えても冷やしきれないと思いますので、真似をする際には十分にご注意下さい。

また、真似をしてGPUをぶっ壊したりしても責任は負えませんので自己責任で・・・。

最後に、私が参考にした(というかこの方法を知った)サイトをご紹介します。
[Official] NVIDIA GPU Mod Club - AKA "The Mod"
海外のジサカーが集うOverclock.netにおける、DIY簡易水冷MODを好むものが集まるフォーラムです。
私が使用したSeidon120M以外の簡易水冷キットを用いた水冷化方法についても記載されているので、もし興味があれば是非読んでみて下さい。
英語が読めなくても、右上の画像一覧を眺めるだけでなるほどなぁとなりますよ。

コメント

  1. 結束バンドという発想は気づかなかった。参考になる。

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